NO.3 東寺「観智院」
東寺塔頭「観智院」に宮本武蔵の画

東寺の塔頭「観智院」は代々学僧が居住し、所蔵する密教聖教に関する資料の質と量は最高と言われています。現在の建物は江戸時代の建築で、床の間の「鷲の図」と襖絵の「竹林の図」は宮本武蔵の筆と伝えられています。

床の間の壁全体に「鷲の図」が描かれていますが、木材の上に画を貼ってあるのでかなり劣化しており、目を凝らして観ないと細部は識別できませんが、それでも鷲の鋭さが画面から伝わって来ます。
「竹林の図」も変色してしまい、薄墨で描かれた遠くの竹なのか、それともただのシミなのか判別不可能な部分がありますが、大胆に強調した竹の節目は武蔵独特の画風だと思います。

武蔵は水墨画を独学で学んだ、とも、長谷川等伯の弟子だったとも言われているそうですが、剣を筆に持ち替えても達人だったことが窺えます。精神統一、バランス感覚、間合い、など共通するものがあるのかもしれません。

 

【Link】

宮本武蔵筆・・・東寺公式ホームページで画像が観られます。

『枯木鳴鵙図』・・・文化遺産オンライン。

今鑑賞出来る宮本武蔵・・・熊本県島田美術館HP。

水墨画「晴竹」の描き方・・・国際墨画会ブログ「水墨画に魅せられて」より図解説明。

 

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